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栄養素・成分ガイド

鉄分とは?体での働き・含まれる食品・摂取量の目安

鉄分は、血液が酸素を体の各部分へ運ぶために必要な栄養素です。肉や魚介類だけでなく、納豆やこまつななどにも含まれています。

この記事では、身近な食品を出発点に、食べる量や一日の摂取量の目安を説明します。「ヘム鉄」などの言葉は、基本を確認した後で紹介します。

鉄分は、何のために必要?

呼吸で取り込んだ酸素は、血液によって体の各部分へ運ばれます。このときに働く、赤血球の中のたんぱく質が「ヘモグロビン」です。鉄は、その材料の一つです。

鉄は体のさまざまな反応を助ける酵素の構成にも関わります。ただし、体に必要だからといって、多く摂るほど調子がよくなるわけではありません。

出典:厚生労働省eJIM「鉄」、食事摂取基準2025年版・微量ミネラル p.286。eJIMは働きの説明に使用し、摂取量は日本の基準を使用しています。

どんな食品に含まれる?

肉、魚介類、豆類、野菜類など、いろいろな食品から摂ることができます。表を見ながら、普段の食事に含まれるものを探してみましょう。

食品100g当たりの鉄の量

可食部、つまり食べられる部分100g当たりの値です。mg(ミリグラム)は1gの1,000分の1の重さです。この表は100gを食べることを勧めるものではありません。

食品名 食品群 状態 100g当たり含有量
あさり(10283) 魚介類 缶詰・水煮 30.0mg
うし・肝臓(11092) 肉類 生 4.0mg
糸引き納豆(04046) 豆類 — 3.3mg
こまつな・葉(06086) 野菜類 生 2.8mg
ほうれんそう・葉(06267) 野菜類 通年平均・生 2.0mg

出典:文部科学省「食品成分データベース」。食品番号と個別の出典は各食品のリンクを参照してください。あさりは缶詰・水煮、牛の肝臓と野菜は生の値です。生の食品の値を、調理後の同じ重量にそのまま使うことはできません。

実際に食べる重さに直してみる

糸引き納豆を仮に40g用意した場合は、100g当たりの数値から次のように計算します。

3.3mg × 40g ÷ 100g = 1.32mg

40gは計算のために置いた重さで、一食の推奨量や、すべての商品に共通する1パックの量ではありません。この計算は食品に含まれる鉄の量を示し、体に吸収される量を示すものでもありません。

1日にどのくらい必要?

鉄の目安は年齢・性別に加え、女性では月経の有無によって異なります。月経によって血液とともに鉄が失われることを考慮しているためです。

表の「推奨量」は、ほとんどの人が必要量を満たせると考えられる量。「目安量」は、推定平均必要量・推奨量を設定できるだけの十分な科学的根拠が得られない場合に示される、一定の栄養状態を維持するのに十分な量です。いずれも、日々の食事などから摂る全体の量を考えるためのもので、サプリメントだけでこの量を摂るという意味ではありません。

10歳以上の推奨量

成人の方は、まず自分の年齢と該当する区分の行を確認してください。数値は1日当たりです。

年齢区分 男性 女性・月経なし 女性・月経あり
10〜11歳 9.5mg 9.0mg 12.5mg
12〜14歳 9.0mg 8.0mg 12.5mg
15〜17歳 9.0mg 6.5mg 11.0mg
18〜29歳 7.0mg 6.0mg 10.0mg
30〜49歳 7.5mg 6.0mg 10.5mg
50〜64歳 7.0mg 6.0mg 10.5mg
65〜74歳 7.0mg 6.0mg —
75歳以上 6.5mg 5.5mg —

「—」はこの区分の値が示されていないことを表し、鉄が不要という意味ではありません。一日だけの食事量やこの表の数値から、鉄欠乏を判断することはできません。

乳児・小児の目安量・推奨量

乳児・小児の基準は、次のように設定されています。子どもへのサプリメント使用量を決める表ではありません。

年齢区分 男性 女性 指標
0〜5か月 0.5mg 0.5mg 目安量
6〜11か月 4.5mg 4.5mg 推奨量
1〜2歳 4.0mg 4.0mg 推奨量
3〜5歳 5.0mg 5.0mg 推奨量
6〜7歳 6.0mg 6.0mg 推奨量
8〜9歳 7.5mg 8.0mg 推奨量

妊娠中・授乳中の付加量

年齢に応じた「女性・月経なし」の推奨量に加える量です。サプリメントをこの量だけ追加するという意味ではありません。

区分 推奨量の付加量 読み方
妊婦・初期 +2.5mg 月経なしの女性の推奨量に付加する。
妊婦・中期/後期 +8.5mg 月経なしの女性の推奨量に付加する。
授乳婦 +2.0mg 月経なしの女性の推奨量に付加する。

妊娠・授乳中や治療中の食事・鉄補給は、検査結果なども含めて医師に相談してください。

出典:厚生労働省「食事摂取基準2025年版」スライド集 p.114〜116。

不足や摂りすぎで、何に気をつける?

体調の変化だけで、鉄不足とは判断できない

鉄の欠乏は貧血につながることがあります。ただし、体調の変化だけで鉄不足とは判断できません。体調や健診の結果に不安がある場合は、医療機関で原因や対応を確認してください。鉄欠乏や鉄欠乏性貧血への鉄補給は、医師の指示に従うものです。

上限量がないのは、いくら摂ってもよいという意味ではない

2025年版の食事摂取基準では、鉄の「耐容上限量」は設定されていません。これは多量摂取の安全性を保証する意味ではありません。治療などを除き、推奨量を大きく超える鉄の補給は控えるべきとされています。

また、鉄欠乏でない人が、食事からの摂取に加えてサプリメント等から鉄を付加的に継続して摂ることは控えるべきとされています。貧血でない妊婦・授乳婦が鉄サプリメント等を利用することも、控えるべきとされています。

鉄のサプリメントによる補給を個人の判断で始めたり、検査結果を見て自分で量を増やしたりすることは控えてください。服薬中・妊娠中・授乳中の方も、医師・薬剤師へ相談してください。

出典:食事摂取基準2025年版・微量ミネラル p.286、297〜298。

商品表示にある「ヘム鉄」とは?

食品に含まれる鉄には、肉や魚などに多い「ヘム鉄」と、植物性食品の鉄の大部分を占める「非ヘム鉄」があります。これは鉄が含まれる形の違いです。

吸収のされ方には違いがありますが、体内の鉄の状態や食事の組み合わせも関わります。ヘム鉄を含む食品だけを選ぶ必要はありません。肉・魚介類・豆・野菜を含めた食事全体で考えましょう。

出典:食事摂取基準2025年版・微量ミネラル p.286、297〜298。

サプリメントの表示は、どこを見ればよい?

すでに使用している商品や、医師・薬剤師へ相談する商品の表示は、次の順に確認できます。

  1. 「鉄」の量を確認する:原材料の重さと、栄養成分としての鉄の量を混同しないようにします。
  2. 1粒当たりか、1日目安量当たりかを確認する:比較する数値の基準をそろえます。
  3. ほかの商品との重複を見る:複数成分を含む商品にも鉄が入っていないか確認します。
  4. 原材料・注意事項・出典・確認日を見る:メーカーの現在の表示も確認します。

メーカーの1日目安量は、自分に不足している量ではありません。表示量の多さだけで優劣を決めたり、食事摂取基準を使って粒数を増やしたりしないでください。

よくある質問

納豆や野菜にも鉄があるなら、食品表で吸収量も計算できますか?

この表は食品中の含有量を示すもので、個人の吸収量を示すものではありません。食品の形や組み合わせ、体内の鉄の状態などが関わるため、一律の割合を掛けて自分の吸収量と考えることはできません。

商品の「基準値に対する割合」は、自分の必要量を表しますか?

表しません。商品表示に使う「栄養素等表示基準値」と、このページの年齢・性別・月経の有無で分かれる食事摂取基準は、目的が異なります。商品の割合だけで自分に必要な量や不足分を決めないようにしましょう。

出典:消費者庁「栄養成分表示について」。

参考資料

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下記の参考資料一覧
更新履歴
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  • :WordPress最終更新日(変更内容の記録なし)

変更内容を記録する更新履歴は、今後の更新から掲載します。

このページの情報確認

編集・データ確認:えいようナビ編集部。資料確認日:2026年9月15日。公的資料の記載と食品成分データベースの数値を複数の工程で照合し、初めて読む方が基本から理解できる順序に整理しています。商品情報にはメーカーの公式表示と個別の確認日を示します。専門家監修や個別の診断・栄養指導を示すものではありません。

成分の違いを、並べて確認。